すずと出会ったのは今から5年前、2015年10月でした。
夜、悲しい声で泣く子猫の声。家から出て探してみると、向かいの家の駐車場に生後2ヶ月くらいの子猫が居ました。
人様の敷地なので様子を見ますが、これだけ大声で泣いているにも関わらず全然誰も気に止めない。
これは捨てられたのだと判断し、お腹が空いているだろうと猫飯持って保護に乗り出しますが、人馴れしていないのかチビのくせに『近寄るな!』と威嚇します。
ゴハンを投げてやると、文句言いながら数粒口にしましたが、近所を闊歩する大人猫が割って入り、子猫は転がるように逃げて行ってしまいました。
毎日気にしながらも連日保護は失敗が続き、そぼ降る小雨の肌寒い日に鳴き声がするような気がして外に出ると、子猫が定位置で雨に打たれていました。
よく見ると何処かに潜り込んだのか、紐のようなものに絡まり真っ黒に汚れ、もはや鳴く気力もない所をやっと保護することが出来ました。
それからは戦争のようでした。
我が家には先住のまると胡桃がいます。子猫を保護する時、私は既にうちの子に迎える気で保護しましたが、先住の子を病気にさせることはしたくないので、病院で検査をしてからでないと会わせることも出来ません。
なので必然と家庭内別居。感染症を持っていたら大変なのでまると胡桃とは極力接触を避け、その代わりにトンネルマンがふたりの面倒を色々見てくれました。当時のまると胡桃にはえらく寂しい想いをさせてしまいました…
子猫には問題が多く、お腹がとても緩くていつもほのかにう〇この香りがしていました。
自分でおしりの手入れをしては暴発してしまったり、朝起きるとケージから脱走して我慢できずにカーテンの裏でお見舞いしてくれていたり。
毎日多量の洗濯と掃除に追われました。
それに放浪していた時に何をしたのか後ろ足としっぽを骨折しており、足は自然治癒したものの、しっぽはある日自分で噛み切って切断してしまいました。きっと治らないのを自分で察知したのでしょう。噛み切った小さいしっぽは庭の花壇に埋葬しました。
あれだけ人を恐れた子猫はあっという間に私を信頼してくれ、暇さえあればサイレントニャーで愛を語る猫になりました。
子猫に『すず』と名前をつけました。小さいけどチリチリと鳴る存在感がある音は、この時の子猫と重なりました。
かき消されてもおかしくない小さな音だけど、すずは力一杯存在を示してくれたから今がある。サイレントニャーといい、小さい頃からすずは何かを伝える猫でした。
家庭内別居が長かったせいか、トンネルマンはたまに来るおじさん扱いで、それは現在も片鱗を少し残しています😂😂😂
病院に連れていくと生後2ヶ月と言われ、8月の好きな日を誕生日にするといいと言うので、忘れないように終戦記念日と同じ日に設定。
したにも関わらず、危うく忘れるところでしたが😅
助けたくて差し伸べた手に甘えることさえ知らず、逃げていく後ろ姿を虚無感で見送るしか出来なかったあの日…
私の所に来てくれてありがとうと込み上げるものを何度抑えたことか…それは今思い出しても、切なく逃げていく小さな後ろ姿がオーバーラップし泣けてきます。
要らない命なんてない。
子猫は私と出会うために生まれてきた。そしてすずという名をもらった。今でこそふてぶてしい姿で部屋を占拠し寝てるけど…
5年前の暑い日に、生まれてきてくれてありがとう。
ずっとずっと愛してるよ。
長生きしてね😊😊😊
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